特別インタビュー

2008-11-04 Tue

戸口眞吾/エイベックス・エンタテインメント音楽事業本部 第5制作部 部長

 

人生を賭けるライフスピリットを持っていること!

今回はエイベックス・エンタテインメント/音楽事業本部 第5制作部 部長 戸口眞吾さんににお話を伺いました。

インタビュー

---次世代を担うアーティストとはどういった要素が求められるか?

技術的な部分で歌がうまいというのは当然、求められる事ですけれど、それ以上に自分という人間自体でアーティストとして見てもらえるのがこれからは大事です。その人からにじみ出てくる人間性を歌で表現して受け入れられること、そこで大切になってくるのはスタイルだけではごまかせないまったく素の自分で、その上で人生をすべてかける想いが通じるような表現力が必要になってくると思います。


--オーディションでみるポイントはありますか?

EXILEのボーカルのTAKAHIRO君を初めて見た時がそうだったんですけど、オーラというか周りの空気を変えちゃうくらいの何かを持ってますね。そういう雰囲気を感じるところと、表に出る人なんで最後は総合点と合わせてみてますね。


--これまで携わったアーティストで感慨深いエピソードは?

色々見てきた中で僕がすごいと感じたのは、大きく売れてその後のピンチを切り抜けた瞬間ですね。僕がrythmzoneというレーベルでm-floをデビューからプロモーションしてて、80万枚のセールスをあげたんです。そこでボーカルのLISAが脱退すると。これって端からみたらピンチじゃないですか。そこをm-flo lovesっていう言葉を本人たちが編み出して、ボーカルが作品毎に変わっていくというやり方を見つけて、しかもその一発目Crystal Kayちゃんとのコラボ曲を聴いたときに「うわー、この人たちはピンチをポジティブに脱したなあ」っていう瞬間でしたね。
もう一つはEXILEですけど、こちらも同様にボーカルが脱退するピンチに対して、ミリオンアーティストが一般募集するという思い切った作戦に出て、それが見事成功してて、第一章、第二章っていうポジティブな想いで、ピンチをポジティブに変えていったのを見るとアーティストのすごさも感じますし、周りのスタッフも一緒になってがんばれるというか、そうなったアーティストは強いですね。


--プロになるためのポイントとは?

僕はEXILEと接してて感じるですけど、元々、志(ココロザシ)が高いんですよ。あの人たちはデビューすることがゴールじゃなくて、スタートでしかなくて。オーディション受ける人もデビュー出来たらいいなというモチベーションの人と、人生を賭けるライフスピリットを持っててデビューして、自分が歌うことを通して、世の中にこう影響を与えていって、こうしていきたいっていう人とではやっぱり差はでますよね。デビューしてから問われてくるのはその辺の志の部分だと思います。デビューはホント、スタートでありゼロでしかないんだと思っていてほしいですね。


--オーディションを受けるにあたってここは大事というポイントは?

個人的には歌のあのフレーズがどうとか技術だけじゃないから、自分という人間をリラックスしてみせて欲しいですね。正解があるわけではないので、そのまんまのキャラクターを見せるように意識した方がいいと思います。変に偽ったり、ねこかぶったりするより、素の自分をみせていった方がその人の人生に色んな意味においていいんじゃないかなと。

--日本のエンタテインメントとは、そこでのavexって会社はどういうところ?

日本のエンタテインメントについてですが、曲がいいっていうのはあるんですけど、それだけではなく、その人の人間性も含めたところでファンを作っていくつもりで活動していかないといけないんだと思います。スタイルだけじゃごまかせないのが日本でやっていく難しさですね。
まず、avexはアーティストそのものを売り出す力はどこにも負けないと思うんですよ。その人のキャラクターだったり、人となりだったり曲だけのファンというよりはアーティストそのもののファンをつけていけるのが長けていると思います。
日本のエンタテインメント界の中でavexはとってもいたずらっこな発想を持ってると思うんです。例えば、東京ドームを一夜限りのジュリアナにしちゃおうっていう思いつきがあって、それは小学生がロケット花火打ち上げちゃおうぜーっていうのとほぼ一緒で、そのいたずらっ子な発想とビジネスをちゃんと結びつけてやれる会社は絶対うちしかないと思うんですね。そこがうちの会社が他とは違う面白さを持ってるところだと思います。