特別インタビュー

2008-10-27 Mon

声優アーティスト『茅原実里』

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オーディションでは素顔を見せることが大事!

アニメ『天上天下』(棗亜夜役)や『涼宮ハルヒの憂鬱』(長門有希役)で活躍されている茅原実里さんにインタビュー!デビューする前からオーディションの事など、真摯に語っていただきました。

インタビュー

-- プロになろうと思ったきっかけは何ですか?

私は小さい頃から内気で人前に出るのがすごく苦手なタイプでした。でも、“歌が好き”という強い想いから、年を重ねるごとに漠然と表現の道に進みたいと思うようになっていきました。振り返ってみると、自分自身を表現することが苦手だったから、自分の好きなことを仕事にして、堂々と生きてみたかったんだと思います。今の自分を、状況を変えたいという想いがきっかけになっていると思います。


-- プロになると決めて、実際にプロになるまでに越えなければならないハードルはありましたか?

もちろんありました。夢を持ったところで叶う確率というのは非常に低いですから。特に芸能の世界は、同じように憧れを持ち目指す人間が沢山います。実力だけで叶うものでもなく、運やタイミングも必要なわけで、その時がくるまで諦めないで待てるかどうか。それこそ私もオーディションは落ちてばかりだったし、自分に失望したこともあったし…。

-- そのハードルはどうやって越えていきましたか?そのハードルは思った以上に高かったですか?

 ハードルの高さを感じたことはあまりなかったですね。ある程度学び始めたら簡単ではないということがリアルに分かっていたし…。あとは自分次第でした。私は養成所に通ったことがきっかけでお芝居に出会うことができ、“声優”という自分の人生においての新たな扉を開くことができました。自分が求めているものと、人から求められているものって微妙に違ったりします。それを自分がどう受け入れるか?それが鍵になったと思っています。

-- プロになる前にに大切にしていた信念は?

応援してくれている家族や友達にきちっと夢を形にして返したいという想いと、自分の持つ声を通して、誰かの心の支えになりたいという希望を持ち続けました。

-- プロになる前に「こんな失敗もあったなぁー」というエピソードはありますか?

デビューする前に、とあるラジオ番組のアシスタントをやらせていただくチャンスをいただいたことがあって、毎週番組に出演していたんですけど、もう7年くらい前になるのかな…?当時は本当に、びっくりするくらい何も喋れなくて、まともに声になるのは頭の自己紹介くらいで…(笑)毎週(今日もあまり喋れなかった…)と駅まで泣きながら帰ったり、放送も聴く事ができないくらい反省ばかりでした。

-- その失敗は、今ではご自身の中で消化されていますか?

あんな思いは二度としたくないという気持ちから、内面を磨いたり、日常であった出来事をメモったり、もっと上手に自分の気持ちを伝えられるようにと心がけるようになりました。今は自分のラジオ番組を持っていますが、応援してくれるファンのみんなに少しでも近づけるよう、ありのままの自分を出していく努力をしています。

-- 「ここだけの話、こんなトレーニングしてました!」ということはありますか?

アニメを見ながら台詞をノートに書き込んで、自分で台詞にしてみたり、「上手い」と感じる役者さんの真似をしたりしていました。自分では持っていない抑揚の付け方や、アクセントが勉強になると思って。歌も同じで、自分が尊敬する人の発声を真似したりしています。こういうことを始めたのは、デビュー後です。現場で上手い先輩達に触発されて、もっと表現の幅を広げたいという思いからでした。

-- 日本で活躍したいと望んでいる「外国人」の方々に向けて何かアドバイスはありますか?         

私自身、外国で活動をした経験が少ないので答えるには難しい質問ですが、基本的に日本でも外国でもやるべきことは同じだと思います。自分が何を伝えたいのか?何をしたいのか??その答えが自分の中にあるのであれば、言葉の壁も乗り越えられるのではないかと思います。

-- 今までに影響を受けたアーティストを教えてください。

衝撃的だったのは、尾崎豊さんです。中学時代に彼の音楽に出会って、夢中になりました。残念ながら亡くなった後だったんですけど。一度でいいから、生であの唄声を聴いてみたかったという気持ちは今でもあります。

--その影響を受けた方のどういうところに惹かれました?

愛への執着心、人間臭さです。あそこまで自分自身をさらけだして愛を叫んでいる姿を見て、聴いて、こんな風に生きていけるのか?と。それを音楽に、言葉にしてしまえるのか?と…。音楽というか、彼の歌は彼そのものというか。だから、尾崎豊さんの歌を聴く時には、彼の気持ちを受け止める心の準備が必要なんです。人と真っ正面から向き合っている気分になります。だから好きです。

-- ご自身のプロとしての魅力を引き出すポイントなどあればお願いします。

何でしょう…(笑)

多分、ありのままの自分でいることなのかな?

あまり自分に嘘はつけない人間なので、素の自分を大切にするようにしています。 

-- オーディションの時にあった、「今だから言えるちょっと恥ずかしかった・・・」ことはありますか?

自分の出番になり、緊張して自己紹介をする時に噛んだことがあります…(苦笑)

-- ご自身の立場からオーディションで大事にしたいポイントがあれば教えてください?

緊張するなと言っても無理なのは私自身がよく知っていることなので、緊張することもOKだと思います!オーディションによって何を求められているのか異なるので一概には言えませんが、私は素顔を見せることが一番いいことだと思います。オーディションもプロになるまでの大事な経験だし、デビューするまでの過程において必要なことだったと思うので、挑戦し続けることが大事です。

-- avexのココが素晴らしい!というところはありますか?

今の私がこうして活動していられるのは、avexに出会ったからだと思っているし、感謝しています。

どのジャンルにおいても可能性を感じたら、新しいものでもどんどん取り入れていく姿勢は素晴らしいと思うし、何年経っても変わらない攻めのスタイルが魅力だと思います。


-- 夢をかなえるために、大事なこととは・・・

出会いですね。私の今のマネージャーが、茅原実里を発掘してくれました。
「いける」と感じていたから、なかなか上手くいかなかった時期も見放さなかったそうなんです。私はどちらかといえば、ネガティブな人間で、そこは昔から変わることはないんですけど、自分を信じてくれる人との出会いが自分を強く成長させてくれるんだと思っています。プロになったから夢が叶ったわけではなく、ある意味それが始まりで、私も今は一緒に仕事をしているチームと一緒に大きな夢を叶えていけるよう努力したいと思っています!